投資詐欺とはどんな詐欺?

近年、投資詐欺の被害者が増加しています。
驚くべきことに、その被害者のなかには大学生も少なくありません。
投資詐欺とは、異常に高いリターンを謳いながら、実際にはそのような利益が出るはずのない投資案件やプログラムで投資する人を勧誘する犯罪行為です。

特にインターネットが普及した現代では、SNSやLINEなどのメッセージアプリを通じて巧妙な手口で被害者を増やしています。
大学生は経験が浅く、投資に関する知識も乏しいため、簡単に騙されてしまうケースが増えているようです。

実際の手口の例

大学生の田中のもとに、ある日サークルの先輩、山田から突然LINEのメッセージが届きました。
「久しぶり、飲みに行かない?」という誘いだったので、ちょうど暇を持て余していた田中は何も疑うことなく、先輩との飲みに行くことにしたのです。
飲みの席では、先輩から「すごい話を持ってきたんだ。投資のプロが来てくれるからさ」と言われました。

すると、本当に少し経った後に見知らぬ男性が現れます。
スーツをきちんと着こなした中年の男性で、佐藤という人でした。
佐藤は自らを投資の専門家と名乗り、日本国内はもちろん海外の市場にも詳しいとアピールします。
そのうえで、「今、○○株が破格の安さで、数日内には確実に倍になる。その情報を特別にシェアするよ」という話を始めたのです。

田中は初めての投資で不安もありましたが、先輩や専門家が背中を押してくれたので、少額ながらも投資を決意します。
すると、実際に佐藤の言う通り値上がりし、わずかながらも儲けを手にすることができたのです。
後日、山田先輩と佐藤はさらに大きく儲けるチャンスがあると言ってきました。
「今度はもう少し大きな額で投資すれば、一生分のお金が手に入る」とのことです。

前回の成功体験があったため、田中は借金をしてまで多額の資金を用意、実際の手続きは任せてという佐藤に渡してしまったのです。
その時点では山田先輩も佐藤も彼の決断を称賛してくれたのですが、彼らとはそれっきり連絡が途絶えてしまいます。
結局、投資した話も嘘で、彼らは最初から騙すつもりで田中に近づいてきたのでした。

後で知ることになるのですが、この手口は山田と佐藤がよく使っていたもので、ほかにも多くの学生が被害に遭っていました。
最初は少額で成功を体験させ、信用させた後で大金を投じさせその後に姿を消すという手口です。

投資詐欺への対策

対策の基本は、情報の確認です。
人から聞いた話を鵜呑みにせず、信頼できる情報源から得られた情報だけを信じ、公式な報告書や記録を確認するようにしましょう。
また、おいしい話にすぐ飛びつくのではなく、冷静にその情報の真偽を確かめる時間を取ることも大切です。
リスクがない投資は存在しないと理解することで、無謀な行動を防ぐことができます。