成長実感とは
できなかったことをできるようになっていると自分で実感できれば、成長実感がある状態といえるでしょう。実際は成長実感を持つことは簡単なことではありません。どうしてかというと、自分は成長できたと思えることや、自分の成長を納得することは非常にハードルが高いためです。
周囲から褒められ、感謝されることで、自分の成長を実感できる場合もあります。ですが多くの場合、自分の成果を肯定することは慣れていないと難しいことなのです。
どのような場合でも、自身が成長していると実感し、自信をつけていく過程の中で成長実感は育まれていきます。
成長と成長実感の違い
成長実感とはある期間において自分が成長したといえる感覚です。また、成長とは自らの意思で努力をして成長につなげることを指します。成長は客観的な評価によって実感しやすく、自分自身は成長できているという感覚がなくても、他者が成長していると評価した場合、自身が成長できていると思って問題ありません。ただ、成長は形として残るものではないため、成長を実感するのは難しいといえるでしょう。
成長実感を持つメリット
成長実感を持つには以下のメリットがあります。
成長に向けた取り組みのモチベーションになる
多くの方は成長実感がモチベーションアップになることをわかっているのではないでしょうか。逆に成長実感が持てなければ、やる気をなくし、成長できる場を求めるようになります。社会人が数か月や数年で転職を繰り返すのはこのためです。
現状を把握することで効果的な方法を見つけ成長できる
成長とは、ゴールと現状のギャップを埋めるためのプロセスです。現状を把握できれば、より効果的な方法で成長できます。
成長実感がもてない理由
どうして成長実感をもてないのでしょうか。
成長実感を得るにはストレスがたまることと思っている
近年、ストレスを少しでも受けたくないあまりに、成長実感のある行動を避ける傾向にあります。ここでいう成長実感がある行動とは、多くの人とかかわりながら様々な業務を担う仕事です。ストレスを回避するために、自分にとって楽なことを続けていると、成長を実感することが難しくなります。ストレスを受けないようにしすぎると、成長実感を持ちにくくなるのが現実です。
短絡的な成功しかみていない
短絡的な成功しか見ていない場合も、成長実感は持ちにくくなります。短絡的な成功を重ねることで、多くの成長を実感できるかもしれません。ですが、小さな成功ばかりだと満足感にはつながりにくくなります。成長を感じやすいのは、成功できるまでに困難なことが多かった場合です。小さな成功ばかりだと、成長実感は持ちにくくなっていくでしょう。
他者評価に依存している
成長実感を持つには周囲からの評価によるものが多いのではないでしょうか。表彰や賞賛の声など、他者から褒められて得られる成長実感もあります。しかし、他者による評価ばかりだと、自分で成長を感じにくくなる弊害があります。まず「自分は成長しているんだ!」と認めることも大切です。他者からの賞賛は自分が欲しいタイミングで必ずもらえるわけではありません。適切な評価基準を持ち、自己評価するようにしましょう。
できないところに目を向ける
成長実感を持てない理由の一つが、自分のできないところばかりいつも見てしまうというものがあります。
何か一つできたとしても、他のことができていないと、できたことには目を向けず、できないところばかり探して「これができていないとだめだ」と自分にマイナスの評価をしてしまっています。
自分の成長のためにより良くしたいと考えるのは大切なことですが、それで自分自身の評価を下げてしまっては意味がありません。
成長実感を持つためには
成長実感を持つための方法を紹介します。
自分にとっての成長を明確にする
なぜ、成長したいのか?何が成長したいと思わせているのか?その思いの出所を探ってみます。何でもいいから成長したいと思って行動しても、結局何に自分が向いているのか分からないと成長実感は得られません。
成長の目的を明確にすることで、自分にとって何が成長なのかがより具体的に見えてくるので、成長するための手段も見つけやすくなります。
できたことを自分で認める習慣をつける
他者からの評価・賞賛ではなく、自分で自分の成長を認められるようにしましょう。できたことを自分で評価ができれば、自分の成長を肯定的にとらえられるようになるでしょう。もしも、失敗したとしてもできたことはできたと認められれば成長実感を持ちやすくなるはずです。
そのためには、正しい成長とは何かを評価する基準が重要です。成長をどのように認識し、どこまでできれば自分が成長できたとするのか、この基準を甘くしてしまうと上手くいきません。自分で自分を認める基準を持ち、効果的に成長実感が持てるようにしていきましょう。
新しい知識を身に着ける
自分の手の届く範囲内で同じことばかりしていると、成長できたという実感を持つことは難しいでしょう。それがどんなに難しいことだとしても、何度も繰り返すことで人は慣れてしまうものです。結果として、同じことを何度も繰り返していることになり、成長実感を持ちにくくなります。そこで有効なのが新しい知識を身に着けることです。新しい知識とともに新しい領域を広げることで、刺激を受けて成長を遂げることができます。できることから初めてみましょう。
失敗を恐れない
失敗は当たり前だと思う心構えが大切です。初めてのことだと分からないことだらけで、予定通りにいかないのも当たり前。最初から上手くいくなんて思ってしまうと、心が折れてしまいます。失敗が続いても最後に良かったと思えるように継続していきましょう。失敗を繰り返すことで、臆することなく挑戦できるようになります。失敗したパターンを分析し、成功するための糧にする気概が重要です。
定期的に振り返ってみる
成長実感がないのは、成長による変化に気づけないだけかもしれません。日々流されていると自分の変化・成長に気づけないものです。定期的に振り返ってみて確認してみましょう。1カ月に1度、最低でも3カ月に1度、どんな出来事や変化があったのか10分でも振り返る機会を作ってみてください。
目的別の自己成長を促す方法
どのような自己成長を遂げたいのかまとめましたので参考にしてみてください。
一般教養を身に着けるには
大学の授業ではその学科の専門的分野になるため、社会人にとって必要な知識は自分で身に着ける必要があります。その中でも、読書が有効は方法です。日々のニュースで得られる情報は時事的なものが多く風化してしまいますが、読書から得られる知識は風化しない共用を得られるでしょう。
専門的なスキルを身に着けるには
研究室やゼミに参加する
学びたいことがあるなら研究室やゼミに入ることをおすすめします。ゼミや研究室では専門的な分野の勉強、研究だけではなく、社会人になっても続くコミュニティが生まれます。
ITスキルを身に着ける
ITスキルは文系、理系問わず、どの業種であっても必要とされる場面があるため、ITへの理解が求められます。プログラミングやウェブ知識は重宝されるため、仕事で使わなくても役立てることができるでしょう。
資格を取る
学生のうちから資格を取っておくと、就活や転職に役立ちます。社会人になると業務に関係のある資格を取ることが多いですが、学生なら興味のある資格に手を出しやすいので、いざというときに思わぬ形で役立つかもしれません。
視野を広げたい
留学する
留学は日本では出会えないような国籍の人々と出会い、日本にいてはできない体験ができます。外国で生活することで、現地のマナーやルールを学ぶことになるため、日本にいては思いつかなかった物事の考え方、価値観に出会うことで、視野を広げることができるでしょう。また、日本を離れることで日本という国を客観視することができます。世界に飛び出ることで新しい考え方や価値観に触れ、日本にいて当たり前すぎて気づかなかった日本のすばらしさを実感できる留学は貴重な経験となるはずです。
ボランティア活動をする
ボランティアでは困っている人を支援するため、社会課題に直面することになります。無知であることに気づくと同時に知識や知見を深めることができるでしょう。無意識的な先入観に気づき、枠にとらわれない思考を身につけることができます。
起業したい
将来起業を目指しているなら、起業スクールに入るのもおすすめです。学生のうちから商売を経験している人は、貴重な存在だといえます。起業の成否にかかわらず、学生のうちから経験のある人は就活でもきっと役に立つはずです。
成長実感は持たないといけない?
ここまで成長実感を持つ重要性についてお話してきましたが、実際に成長実感は必要なのか考えてみることが大切です。人によって優先順位が違います。自身が成長実感を持つことに対して優先順位が低い人もいますし、現時点では成長より優先したいことがあると思っている人はいるでしょう。
現時点で自分は成長実感を求めているのか
今の社会は、周囲が成長を求め、プレッシャーを感じる社会であることは間違いありません。しかし、それが成長しないといけないという理由にはなりません。同調圧力に駆られるくらいなら「成長しなければならない」という前提を疑ったほうがメンタル的に安心できると思います。
まずは、現時点で成長を欲しているのかを冷静に考えてみてください。必要性を感じていないのにもかかわらず成長だけを追い求めていると、焦りや不安感に対しての根本的解決にならず、人生においても大きな負担になるからです。
まとめ
現時点で成長実感を持てないのなら、成長実感を得るためにはまず成長とは何か考えてみるといいでしょう。どうして成長を欲しているのか自問自答し、今自分はどのように成長すればいいのかを明らかにすることが大切です。